人生の四半世紀を銀座で生きている沖縄女性とそのお店をご紹介します。銀座6丁目、madame夕雨子の与古田夕雨子さんは「銀座でママになるんだ!」と、当時周囲の猛反対を押し切り、お店を持って28年が過ぎました。夕雨子さんのこだわりは、「文化を感じさせるサロン造り」「若いジャズメンのバックアップ」で、その客層は多彩なものがあります。まず、入り口を通るときに目を引くのが、平積みにされた書籍の数々。彼女自身が本好きなのと、渡辺淳一氏、北方謙三氏など顧客の著書を置いている都合もあります。
サロンの壁面にはこれも彼女なりの審美眼で見つけた流浪の画家村上肥出夫の油絵「ベネッチア」があります。さりげなく各所に本や絵があり、どことなく落着ける雰囲気が長い間顧客を惹きつけているのかも知れません。また、彼女のライフワークの中に若いジャズメン達へ場の提供としてサロンの一部をステージに開放しています。これも、かつてお店で働いていた方がその後米国バークリー音楽大学に進み、帰国した後にも活躍していけるようにとの彼女からのエールです。その後輩、その又後輩達が今もステージを盛り上げています。
Madame夕雨子の店で、およそ沖縄らしいものは泡盛しかみつからないと仰るかもしれませんが、どっこい、夕雨子さん自身がまさしく「うちな〜」で、「良き沖縄」がここにもあり。だと思います。最近、著者奥野修司氏をゲストに「ナツコの会」で沖縄出身ビジネスウーマン達が集まりました。これもキッカケは夕雨子さんの「ナツコという沖縄女性への敬意」からスタートした事でした。何より夕雨子さんと話していると「あっけらかんと前向きな沖縄女性」がいつもそこにいて、いつも「元気」を頂けることです。
店名 madame 夕雨子住所 104−0061 東京都中央区6−9−13 第一ポールスタービル5FTEL 03−3289−8575営業時間 午後7時 〜 午前0時 ライブ 毎週水曜日 午後8時 〜 3ステージ
(菅原律子/菅原律子設計事務所代表)
INANNA通信2006/8月号掲載分
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