Top はじめまして   Profile  Works  Column  設計の進め方、設計料について   お客様の声  Press Release
 よくあるご質問   Link  Blog  itiS  事務所案内 お問い合わせ  
 〒104-0033 東京都中央区新川1-21-1 茅場町タワー#1809 tel/03-6222-8525  fax/03-6222-8526
 建築の話 バックナンバー
 
 
2021/7月

長引くコロナ感染拡大による被害、影響を受けている皆様には

お見舞いを申し上げます。国内でコロナ感染のニュースが流れてから

丸一年半が経ちますが、今だ収束の目途が見えないようです。

様々な場所でコロナ禍の影響、被害が拡大していますが、建築業界も木材など建材不足、高騰で深刻な状況が続いています。国土の約60が森林という

森林国ながら安価な輸入材に頼ってきた国内事情にコロナによる経済の歪が拍車をかけた、、という現実が今起きています。衣食住という暮らしの基本

を守るためにも、建築に必要な材料くらい自国で賄える国であって欲しいと

思います。

 
  
 2019/1月   2025年問題」について、78年ほど前からあるお施主の話度々出てきていましたが、今年は、より身近な情報となって参りました。団塊の世代が2025年頃までに75歳以上に達する事により、介護・医療費などの社会保障費の急増の他、諸問題が懸念されています。

 制度改革がなされ、「医療から介護」「施設から在宅」へとシフトがされていくようです。つまり、地域の支援はあるものの在宅介護の環境を整えなさい、という現実がもう近くに来ているというものです。

そのお施主のお宅は昨年春に竣工をしましたが、まさに、2025年問題に先駆けて

在宅介護を見据えての改修計画でした。在宅での介護となると、介護される方、介護をなさる方の両方にとって無理なく負担が少ないプランニングが必要となってきます。バリヤ―フリーという段差の改善だけでなく、室内温度のバリヤフリー、調湿が効いた健康的な室内は高齢者にとってお身体への負担も少なく快適に過ごせます。最近の衛生設備もこの辺を意識してか在宅介護に向けた浴室ユニット、トイレシャワーユニットが製品化されており、出来るだけ自律使用ができるように工夫がされてきました。又、介護の問題は介護する方のケアを如何にするか、というのが大事な所と捉え、プラン上での居場所の確保、支援サービス者とのプライバシーの分離などを心がけます。

 一般的な情報としてはまだまだ2025年問題と今後の住宅の有り様とがリンクしていないのが現状ですが、竣工後のお施主の方々からの使用感などを情報収集して改善し、また次の建築設計に生かして行きたいと考えています。

 
 
 2018/1月   2013年から取り組んできた「エコハウス研究会http://ecohouse.ac/での研究、勉強会は主に、北欧諸国、スウェーデンやオーストリアの実施レポートなどが主体でしたが、建材、建築工法などをその国にある自然材料を用いることと、温熱環境が家中で一定なので、室温のバリアフリー化が実現していることです。
 
 特に日本と大きく違う点は、室温も逃がしにくいトリプルガラス入りの樹脂サッシと調湿効果の高い木質系の断熱材(特に厚さ30cmも)木造の建築で取り入れている所です。
 
 日本も最近の省エネ目標などでZEHの推進が言われ、徐々に温熱環境の質も向上しつつありますが、建材の変革に頼るだけではなく建築工法として日本には各地で地域に合った家づくりがあったことを見直していかないといけないと思います。
 
 調湿する壁や夏の熱風を逃がす工夫が土蔵建築にはあったし、屋根の葺き材には気化熱で夏の日差しをクールダウンさせる知恵を用いていました。
 
 もともと細長い日本列島は各地で地域に合った建築はあったと思いますが、益々の温暖化傾向に伴い、地域の気候風土にあった建築を考えていかないと、と思います。
 

  2016/1月  これまで行ってきました建築を再度見直し、2013年中は「エコハウス研究会」http://ecohouse.ac/で、日本はじめ、世界の建築の現状を考えてきました。建物の温熱環境から見えてきたのは、エネルギー問題や人権や国策等、建築を見直すことで様々な事柄が変わっていくのでは?という点でした。

2014年、リトル・サイエンティスト社新築プロジェクトにおいてエコハウス研究会で得た技術を駆使する機会が戴けました。本社社屋という事務所建築で従来の空気を掻きまわす冷暖房ではない輻射、熱伝導で冷房暖房を行っていくというものです。

そのためには、建物の壁、床下、天井など通気、換気をきちんと考え、遮熱、断熱もしっかり行っていきます。このような配慮で建てられた建物は建物自体も健康で長持ちだし、冷暖房のエネルギー使用も押さえられ、中で暮らす人々も健康でいられます。既に日本全国でこのような建築技術で建った建築が増えてきました。今後は是非、戸建新築住宅でエネルギーを消費しない健康な家づくりを考えていきたいです。
 

2012/5/21  日本らしさ、また各地方らしさというものが、建築にも求められています。もちろん風土的なこともありますが、それに伴うその地域としてのデザインというものがあると思います。

 例えば沖縄、海と空、そして空気や人、歴史など沖縄らしさというものがあるわけです。それなのに、新しくできる住宅、マンションなど東京にあるものと変わらないものが、どんどん建築されています。これでは、せっかく沖縄らしさを求めて来た旅行者も、移住しようと思っている人にも違ったイメージを与えてしまい、将来の沖縄にとってマイナスイメージとなるのではないでしょうか。

 昔ながらの住宅を建てればいいというわけではありませんが、その地域の風土を考えた上でのその地域ならではのデザインの建築をすることを考えることが、将来の日本にとって必ず財産となるものと思います。
 

 2011/4月

3/11に起こった東北大震災から1日でも早く復興が成る事をお祈りします。”

 昨年から今年の春ころに駈けて、建築に関する原稿などを書かせて頂く機会があり、近頃気になる住宅建築の話などを書かせて貰っていました。

90年代以降のバブル経済破たん後、住宅設計の現場にも変化が訪れています。最近のWEB上コンペサイトの増加、人目を引く住宅デザインや、設備内容スペックの費用などが設計依頼の決め手になっている現状があります。

 3/11大震災から半年が経ち、少しずつ住宅の建築も戻りつつありますが、ますます耐震強度や設備内容スペック競争で住宅設計の依頼が決まっていく事が予想されます。加えて住宅メーカーなどは、大量に仕入れる建材などでコストダウンを図り、その分、似通った住宅がトレンドと言う形で日本中に溢れる結果を作り続けています。

 設計事務所の仕事は、唯一「この家らしく」他にはない家を造っていく事だと考えています。ご希望の予算内で最大の耐震強度を考え、しかし設備機器には頼りすぎない住宅設計や間取りなどをうまく考え、時にはユーモアやアートなどを取り入れたりして「この一軒だけ」しかない住宅は造れます。大量に仕入れなくても、丁寧に生産され使いやすい金額、良心的な建材はまだまだあります。

 「わが家らしい」個性的な住宅が建ち、周囲の環境にも馴染み、良い佇まいを地域に提供していけるような住宅が増えていくことを願っております。

 

  
                   Copyright 2012 菅原律子設計事務所itiS All right reserve