Works都市に住む３世代の家DATA

この設計のテーマ

　二面道路に面した変形敷地の角地で隣地との高低差もありますが、土地の形状が利点に繋がるように居室棟と水廻り棟の構成にして変形形状を階段、ホール、廊下などで吸収し窓面を多くしました。隣地との高低差で半地下状の居室は若者達の部屋とし浅い池をドライエリアと見立てて風や光が通るようにしました。また最上階は大変景観が良いので敢えて浴室を配しご高齢の母室も最上階に設置しました。

お客様からのご要望

　建て主は、これまでの都心で利便性の高いマンションから一戸建てに移り住むご決心までいろいろあったようです。もちろん土や草木と馴染むには別荘をお持ちでしたからそこで事足りるとして、交通や生活廻りの利便性の高い都心のマンション住まいはなかなか快適です。
　そんな中、転勤で行かれたニューヨークでのマンション住まいが帰国してからも大変印象に残ったとのことでした。マンションながら、リビングの広さ、広いテラス、本物のダンロが備わっていたそうです。

　戸建てでその思いを実現しようと決心なされた訳ですが、それからは段々テーマが絞りこまれていきました。まず、3世代の同居ですがそれぞれの世代が快適に、又楽しく暮らせるように。子供さんの世代は仕事真最中時代なので、24時間、他の世代とは分けて活動ができるように。ご高齢の母上様世代の為に使いやすいトイレや明るい部屋、エレベータの設置など。かつてのニューヨークにあった広いテラス、リビング、本物の暖炉。ご主人からは見晴らしのいい”ジャグジー風呂”とのご要望です。そしてこの建設地には樹齢60年の欅と櫻が既に倒されていてできるだけ「土地の記憶」として新しい家に残したい。とのご要望でした。
　敷地が変形角地なので通りからの景観に気を遣いたいのと、折角の戸建てなので、できるだけ自然と一緒に暮らしたい。しかし、車の往来の多い道路に面しているので何とかなりませんか・・・というのが主なご要望でした。

設計データ

所在地：　東京都港区　　　　　　　　　　　
工事種別：　新築工事　　　　　　　　　　　
構造・規模：　RC造　地上3階
延べ床面積：　269.8㎡
竣工：　2007年7月
撮影：　内木政治　菅原律子　櫻庭紀之

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